津金の里山を歩く

 普段なにげなく眺めている津金の山に登ってみようと思い立ち、12月2日(月曜日)のお休みの日を利用して山登りをしてきました。今回はその報告です。
 「笠無」という山は津金の最高峰であります。標高は1475メートルです。このルートは手軽なハイキングコースなどではなく、人影もまばらな、かすかに踏み跡がのこっている程度の藪山です。
 ですからきちんと2万5千分の1の地図が読めてルートファインディングがしっかり出来る、山慣れた人でないとこの山域に入るのは危険です。

津金学校近くから眺める海岸寺山と笠無

 資料館の駐車場に車を置いて、資料館スタッフのS氏に海岸寺峠まで送ってもらいました。木の枝に赤テープが巻いてあるのが登山道入り口の目印です。山道に入ってすぐの所にかわいい石仏が鎮座していました。踏み跡をたどり落ち葉をふみしめながら進むと間もなく海岸寺山の頂に到着します。
 山頂には、静岡県の藪山愛好家のグループが掛けた木のプレートがありました。右の写真は落ち葉に埋もれそうになって木漏れ日を浴びている海岸寺山の三角点です。風もなくおだやかな小春日和です。
 海岸寺峠から笠無までの標高差は400メートル強ですからたいしたことはないのですが、さすが津金の最高峰だけのことはあります。笠無への最後のアプローチはかなりの急な上り坂でした。山頂は木の間越しに八ヶ岳が見えました。そして写真のような小さなプレートが二つあるだけの地味〜な頂です。しかしまったく人気のない気持ちの良いくらい何もない山というのもかえって清々して好感が持てます。
 落ち葉の絨毯を敷き詰めたような快適な散歩道がつづきます。このあたりまでは比較的道も分かりやすく(とはいっても道標などといったものはまったくありませんが)危険な個所もなく順調でした。
 笠無の少し先に比志の塒への分岐点がありますが分岐点をそのまま進むと眺めの良い岩峰があります。今回のルートの中で最高のビューポイントです。
 左の写真が八ヶ岳方面(手前が清里)・右の写真が金峰山と瑞牆山方面。
 
 このあと分岐点まで戻って比志の塒へと向かいます。このあたりの道は写真のような岩場が現れてきます。
 比志の塒から大尾根峠へ下る道は要注意です。尾根伝いに下ればよいのですが踏み跡がはっきりせず崩壊している個所もあってたいへん迷いやすいです。おまけにこの時期は落ち葉が積もっていて下り道が滑りやすく難儀しました。
 結局最後の最後で迷ってしまい、本来下るべき所から少し離れた林道に出て、今回の山旅は終了しました。

参考コースタイム
海岸寺峠→(15分)海岸寺山→(1時間10分)笠無→(50分)比志の塒→(50分)大尾根峠

2万5千分の1地形図 『谷戸』
参考文献 : 矢崎茂男 『奥秩父西端・わが町の山々』 近代文芸社
小林経雄 『甲斐の山山』 新ハイキング社


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